※4月5日に予定しておりましたCD先行発売ライブは、延期(開催未定)となりました。
2012の1stアルバムから8年の時が過ぎ、その間にバンドが作り続け、演奏し続けた曲たちがついに録音されてドン珍否島Trippersの2ndアルバム「normal」が完成しました。ジャグバンドっぽさも多分にあった1stアルバムに比べると編成も変わり、グッと「normal」でソリッドなバンドサウンドとなった今作ですが、おそらく「normal」の意味はそんなところにないことは明らかです。
まるでディストピアSFの風景のようなアルバムジャケットは、かつてのMUTE BEATの名盤「LOVER’S ROCK」を想起させ、逆さまのタワーマンションがスリーマイル島の原発よろしく屹立しています。このアルバムの曲たちはどれも優しく、しかし逆さまの絶望も同時に鳴っているような気がして、この風景のような世界で日々生きる我々にすっと忍び込んできます。気がつくと、『頼むから 誰か君の 話を真面目に聞いてはくれないか』(「話の話」)『ぼくらは何をしてどこへ消えていくんだろう』(『サーカスの日』)『明日も 明後日も その後も このままずっと続くかな』(『あ・うん』)・・・と、歌を口ずさんでいる自分に気づいたりして。
きっと未来は簡単に終わったりもせず、こんな生活が続いて、僕らは極めて「normal」に日々を過ごすでしょう。しかしその中にどれほど多くの反語を含んでいることか、どれほど多くの嘘を含んでいることか、このアルバムは気づかせてくれるでしょう。たぶん、おそらく、もしかしたら。
静かにみなぎるグルーヴとこぼれ落ちる詩情が美しい、珠玉の7曲が宇宙を駆けるように投下されます。是非聴いてください。
こぐまレコード主宰biwacovic
アーティスト
ドン珍否島Trippers
タイトル
normal
発売予定日
2020年 4月30日(木)
No.
KGRC10012
価格
税込1,500円 (税抜価格は1,364円)
収録曲